今回は、名詞の複数形を見てみましょう。
複数形の5つの型
ドイツ語の複数形には5つの型があります。
複数形にはみんなdieという定冠詞がついています。複数形になると、名詞の性にかかわらず、定冠詞はdieになります。ちょっと楽ちんですね。
さて、複数形の型を確認していきましょう。
最初のタイプは、単数と複数が同じ形のものです。複数形に語尾はつきません。der Wagenの複数形はdie Wagenとなります。
ただし、a、o、uなどの母音があるとウムラウト(変音)します。der Bruderはdie Brüderとなります。
第2の型は、-eをつけて複数形にする単語の例です。これも、ウムラウトするものがあります。die Handの複数形は、die Hände(ヘンデ)となります。
第3の型は、-erをつけて複数形にする単語です。これも、ウムラウトするものがあります。das Buch - die Bücherで、「ブーフ」から「ビューヒャー」と大きく音が変わります。
第4の型は、-enをつけて複数形にするものです。die Frau - die Frauenとなります。なお、die Blume(花)のように<e>で終わっている語の場合は、die Blumenと<-n>だけつけます。このタイプにはウムラウトするものがありません。
第5の型は、-sをつけるものです。英語と同じですね。das Auto - die Autos(アウトース)です。sは「ズ」と発音することはありません。いつも「ス」です。
この型の語は、外からドイツ語に加わった外来語です。型がわかりませんので、まあ、-sをつけて複数形ということにしておこう、という感じでしょう。
英語では-sまたは-esでしたから、ドイツ語の複数形はずいぶんバラエティに富んでいますね。
覚えるにはどうすればいいんでしょうか。この名詞はこの型の複数形となる、などと覚えても意味がありません。そう、単純に
- der Bruder - die Brüder
- das Kind - die Kinder
とぶつぶつつぶやくのみです。
名詞の性について学んだときに、名詞を覚えるときは「兄弟→Bruder」ではなく、「兄弟→der Bruder」と定冠詞をつけて覚えましょう、と言いました。ここでさらにつけ足します。名詞を覚えるときは、「兄弟→Bruder」ではなく、「兄弟→der Bruder - die Brüder」と複数形も一緒に覚えましょう。
ひぇ~、と悲鳴を上げたくなりますが、いっぺんに覚えるのではなく、出てきた身近な単語から少しずつ覚えていけばいいのです。だから、そんなに心配する必要はありません。それに、忘れても辞書があります。辞書はそれぞれの名詞ごとに複数形も示してくれているのです。ありがたいですね。
まとめ
複数形の5つのタイプを学びました。とりあえず、そんないろんな形があるんだな、ふう~ん、と納得しておくだけでかまいません。
単語に-e、-er、-enなどがくっついていれば複数形の可能性があるんだなということを知っておくだけでも十分です。