規則的な変化をする動詞の現在人称変化についてはすでに学びました。今回は、sein(~である)とhaben(~を持っている)という不規則動詞の現在人称変化を見ていきます。
seinは英語のbe動詞、habenはhave動詞に相当します。
seinの現在人称変化
seinは主語に応じて次のように変化します。
すごいですね。とことん不規則です。そういえば英語でもbe動詞は複雑な変化をしていました。
おもしろいのは、seinという不定詞と同じ形がどこにも登場しないところです。これもbe動詞と同じですね。
seinは不規則なので、ひたすら、イッヒ・ビン、ドゥー・ビストと唱えて覚えるしかありません。
wirのところは、ズィント、ihrのところは、ザイトです。ズィンド、ザイドにならないように気をつけましょう。
いくつか例文を挙げます。
- Ich bin Student. (私は学生です。)
- Bist du Student? (君は学生ですか?)
- Er ist Lehrer. (彼は教師です。)
- Wir sind Lehrer. (私たちは教師です。)
- Seid ihr Musiker? (君たちは音楽家?)
- Sie sind Musiker. (彼らは音楽家です。)
練習1
訳しましょう。
- Ist Inge Studentin?
- Paul ist nicht hier.
- Wo ist er?
- Bist du aus Hiroshima?
- Ja, ich bin aus Hiroshima.
- Wer ist sie?
- Was ist das?
habenの現在人称変化
habenの場合は、次のようになります。
habenの場合は、seinよりは簡単です。duのところとerのところだけが不規則になっています。ihrのところのhabtは「ハップト」と発音します。
これも頻繁に使う動詞なので、やはり、イッヒ・ハーベ、ドゥー・ハスト、というふうに楽しく覚えておきましょう。こんなのをつぶやくのが語学を学ぶ醍醐味というものです。
例文です。
- Ich habe Zeit. (私は時間があります。)
- Hast du Zeit? (時間ある?)
- Peter hat viel Geld. (ペーターはたくさんのお金を持っています。)
- Hat Kana auch viel Geld? (カナもたくさんのお金を持っていますか?)
- Wir haben Hunger. (私たちはお腹がすいています。)
- Haben Sie Durst? (あなたは喉がかわいていますか?)
練習2
ドイツ語にしましょう。
- ペーターは時間がありますか?
- あなたは時間がありますか?
- 私はたくさんのお金を持っています。
- 君たちはたくさんのお金を持っていますか。
- 君はお腹がすいてる?
- 君は喉がかわいてる?
まとめ
seinとhabenの現在人称変化をやりました。二つとも頻繁に出てくる動詞ですので、ここでしっかり変化を覚えてから次に進みましょう。
練習問題解答
練習1
- インゲは学生(女子)ですか?
- パウルはここにはいません。
- 彼はどこですか?
- 君は広島の出身?
- うん、僕は広島の出身だ。
- 彼女は誰?
- これは何ですか?
1番:男子学生はStudent、女子学生はStudentinです。このように人間を表す名詞では、男性形に-inをつけると女性形となる場合がよくあります。たとえば男性教師はLehrerで、女性教師はLehrerinです。男の日本人はJapaner(ヤパーナー)で、女の日本人はJapanerin(ヤパーネリン)です。こんなふうにいちいち男と女を区別するのがドイツ語です。
4番:ausは「~から」という意味の前置詞です。<sein + aus>で出身を表します。<Where are you from?>と同じですね。
7番:dasは「これ、あれ」という意味の指示代名詞です。<Das ist Herr Meier>(こちらはマイアーさんです)のように、人や物を紹介するのに使えます。紹介のdasと覚えておきましょう。
練習2
- Hat Peter Zeit?
- Haben Sie Zeit?
- Ich habe viel Geld.
- Habt ihr viel Geld?
- Hast du Hunger?
- Hast du Durst?
3番:一度くらい言ってみたいセリフですね。
5番:Hungerはフンガーと発音します。注意!