再帰動詞

2020/05/03

文法

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前回は、再帰代名詞sichについて学びました。今回は再帰動詞をやります。

再帰動詞とは、再帰代名詞と結びついて一つの意味を表す動詞のことです。3格の再帰代名詞を取る再帰動詞と、4格の再帰代名詞を取る再帰動詞があります。後者のほうが圧倒的に多いので、後者から始めます。

4格の再帰代名詞を取る再帰動詞

たとえば、setzen(座らせる)という動詞は、sichといっしょになって、

  • sich setzen(座る)

という意味になります。

  • 自分を(sich)+座らせる(setzen)=座る(sich setzen)

ということです。文になると、

  • Er setzt sich auf den Stuhl.   (彼はその椅子に座ります。)
  • Ich setze mich auf den Stuhl.(私はその椅子に座ります。)

となります。

<sich>は文の前の方に持ってきます。定動詞が2番目という原則は動かせないので、sichは定動詞の後に置かれます。

他の再帰動詞を挙げてみましょう。再帰動詞は、よく特定の前置詞と結びつきます。

  • sich freuen über +4        (~を喜ぶ)
  • sich freuen auf +4          (~を楽しみにする)
  • sich interessieren für +4 (~に興味がある)
  • sich erinnern an +4        (~を思い出す)

<sich freuen über...>は現在のことを喜びます。前置詞überは「~について」という意味です。一方、aufは「~を期待して」という意味です。<sich freuen auf...>は未来のことを期待して喜ぶので、「楽しみにする」という意味になります。

erinnernは、「エア・インナーン」とエアで切って発音します。

文にしてみましょう。

  • Ich freue mich über das Geschenk.         (私はそのプレゼントがうれしいです。)
  • Wir freuen uns auf das Wiedersehen.       (私たちは再会を楽しみにしています。)
  • Interessieren Sie sich für Musik?            (あなたは音楽に興味がありますか。)
  • Ja, ich interessiere mich für Musik.         (はい、私は音楽に興味があります。)
  • Ich erinnere mich oft an meine Kindheit. (私はよく子供時代を思い出します。)

erinnereは、「エア・イネレ」と発音します。

辞書では?

辞書では、再帰動詞には(再)と書かれています。「setzen(再)」と書かれていたら、必ずsichと一緒に使わなければなりません。sich setzenで初めて、「座る」という意味になります。

3格の再帰代名詞を取る再帰動詞

これはあまり数が多くありません。たとえば、

  • sich die Zähne putzen    (歯を磨く)
  • sich + 4格 + vor|stellen (~を思い浮かべる)
  • sich + 4格 + merken     (~を覚えておく)

です。
数が少ないので、熟語として覚えておきましょう。
例文です。

  • Er putzt sich die Zähne.                   (彼は歯を磨く。)
  • So was kann ich mir nicht vorstellen.(そんなことは私は想像できません。)
  • Das müssen wir uns merken.           (私たちはそれを覚えておかなければなりません。)

3格のsichが主語に応じて変化しているので気をつけましょう。

補足

setzenを辞書で引くと、再帰動詞のほかに、他動詞ともされています。他動詞の場合の意味は、「~を座らせる」です。他動詞とは、4格目的語を取る動詞のことです。4格目的語を取らない動詞は、自動詞と呼ばれます。たとえば、

  • Ich setze ihn auf den Stuhl.(私は彼をその椅子に座らせる。)

のsetzenは他動詞として使われています。ihnが4格目的語です。

  • Ich setze mich auf den Stuhl.(私はその椅子に座る。)

と、再帰動詞を使うと、他動詞が自動詞のようになります。

まとめ

再帰動詞って、sichと一緒に使わなければならないので、面倒です。話すときに、うっかり忘れてしまいそうですね。

とりあえず、

  • sich freuen über +4
  • sich freuen auf +4
  • sich interessieren für +4
  • sich die Zähne putzen

という不定詞句と、ichを主語とした文、

  • Ich freue mich über das Geschenk.
  • Ich freue mich auf die Sommerferien.
  • Ich interessiere mich für Musik.
  • Ich putze mir die Zähne.

を何度もつぶやいておきましょう。Sommerferienは「夏休み」のことです。

注意

ここでは不定詞句を、<sich freuen über +4>という形式で記述しました。

sich über +4 freuen

のように不定詞を最後に持ってくるのが正式な記述の仕方です。

でも、これでは覚えにくいんですよね。それで、僕は<sich freuen über>とつぶやくようにしています。これなら調子よく覚えられます。





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