再帰代名詞

2020/05/02

文法

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今回は、再帰代名詞について学びます。英語では学ばなかったかもしません。

再帰代名詞とは?

再帰代名詞って変な名前ですね。ぱっと見て意味がよくわかりません。再び帰る? どこに帰るんだ? って思いますよね。

でも、英語のmyselfやhimselfのように、自分自身を表す代名詞と言えばすぐにどんなものか想像がつくでしょう。

英語のoneselfは、ドイツ語ではsichで、「自分」を表します。sichには3格と4格があります。

再帰代名詞は主語に応じて形が変わります。次のようになります。

ichduer / sie / eswirihrsieSie
3格mirdirsichunseuchsichsich
4格michdichsichunseuchsichsich

こうして見ると、1人称や2人称の場合は、単数も複数も、Sieを除いて、人称代名詞と同じ形になっていますね。

sichという特殊な形を使うのは、基本的に3人称だけと覚えておくと、上の表も怖くありません。敬称の2人称のSieは、そもそも3人称複数のsieから形を借りているので、同じsichになるのです。

4格の再帰代名詞「自分を」

3格ではなく、4格から始めたのは、こちらの方をよく使うからです。
次の文を見てください。


  • Der Mann hat einen Sohn. Er lobt ihn.(その男は一人の息子を持っている。彼は彼をほめる。)

後半部分、「彼」が二つ出てきます。誰が誰をほめるんでしょう。息子が父親をほめるのではなく、父親が息子をほめるんですよね。

二つ目の文の主語は、前の文に出てきた主語と一致することになっています。つまり、最初の<Er>は、<der Mann>を受けています。では、二つ目の<ihn>は? これは主語と同じ人を受けません。<Sohn>を受けています。
主語と同じ人を受けるためには、再帰代名詞sichを使います。


  • Er lobt sich. (彼は自分をほめる。)

このsichは主語の<Er>と同じです。主語に再び帰る、だから再帰代名詞と言うのです。
1人称の場合は、

Ich lobe mich. (私は自分をほめる。)

となります。michはここでは人称代名詞ではなく、再帰代名詞です。
selbst(自身)をつけて、


  • Ich lobe mich selbst. (私は自分自身をほめる。)

と強調することもできます。selbstは英語のselfに当たります。

3格の再帰代名詞「自分に」

3格のsichは「自分に」という意味になります。


  • Der Mann hat einen Sohn. Er kauft ihm ein Auto.(その男は息子を持っている。彼は彼に車を買ってやる。)

後半部分、もう誰が誰に買ってやるのか、わかりますね。その男が息子に買ってやるのです。お金のある父親を持つ息子は幸せです。
では、自分のために買うとしたらどうしたらいいのでしょうか。そう、sichを使います。


  • Er kauft sich ein Auto. (彼は自分に車を買う。)
  • Ich kaufe mir ein Auto. (私は自分に車を買う。)

mirはここでは再帰代名詞です。
でも、なんか面倒ですね。日本語だと、「私は車を買う」って言ったら自分のために買うに決まっています。いちいち、「自分に」なんて言う人はいません。kaufenの場合も、実は、


  • Er kauft ein Auto.(彼は車を買います。)

と4格だけを取って表現することもできます。「誰に」というのをはっきりさせるときに、sichをつければいいのです。

相互代名詞

主語が複数のときに、再帰代名詞が相互代名詞として用いられる場合があります。


  • Wir lieben uns.                      (私たちはお互いに愛し合っています。)
  • Hans und Tina verstehen sich.(ハンスとティーナは理解し合っています。)
  • Wo treffen wir uns?               (どこで会おうか?)
  • Wir sehen uns selten.            (私たちはめったに会わない。)

例文だけ見れば、すぐにわかりますね。

練習問題

再帰代名詞に気をつけて訳してみましょう。

  1. Ich wasche mich.
  2. Der Vater wäscht sich.
  3. Sehen wir uns bald wieder!
  4. Wir grüßen uns jeden Morgen.
  5. Er denkt nur an sich.
  6. Ich belohne mich für meine Bemühungen.

まとめ

マラソンの有森裕子は、アトランタで銅メダルを取ったとき、「自分で自分をほめたいと思います」と言いました。名言として残っています。この「自分を」が再帰代名詞です。

あのとき、「みなさんの応援のおかげです」だけじゃなく、こんなふうに言うスポーツ選手も出てきたのか、と思ったものです。

さて、今回は、自分を表す再帰代名詞sichを学びました。覚えておくことは、


  • 3格のsich → 「自分に」
  • 4格のsich → 「自分を」

ということだけです。

練習問題の解答

  1. 私は自分の体を洗います。
  2. その父親は自分の体を洗う。
  3. すぐにまた会いましょう!
  4. 私たちは毎朝、挨拶し合います。
  5. 彼は自分のことしか考えていない。
  6. 私はがんばったから自分にご褒美をあげます。

5番:<denken an ...>(~のことを考える)は、anの後ろは4格を取るので、sichは4格です。こんな形で再帰代名詞が出てくることもあります。
6番:最近はこんな言い方で、甘い物を食べることの弁解することも多くなりました。




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