今回は、未来の助動詞werden(ヴェーアデン)について学びます。これを習得すれば、ドイツ語で未来が語れるようになります。
助動詞には、können, müssenなどの6個の話法の助動詞がありました。他にも、今回学ぶ未来の助動詞werden、完了形を作るための助動詞(haben, sein)や受動態を作るための助動詞(やはりwerden)などがあります。
werdenの現在人称変化
werdenというのは、もともと「~になる」という動詞です。
- Ich werde Lehrer. (私は教員になります。)
- Es wird kalt. (寒くなります。)
というふうに使います。
現在人称変化は、
となります。werdenは、ヴェーアデン、werdeは、ヴェーアデ、werdetは、ヴェーアデットと発音します。<e>が長母音になります。
それに対して、辞書の原則に従えば、wirstはヴィルスト、wirdはヴィルトとなります。<i>は短母音だからです。もっとも、wirstをヴィアスト、wirdをヴィアトと発音する人も多くいます。ここではとりあえず、辞書の原則に従って前者で覚えましょう。
werdenはとても大事な動詞です。イッヒ ヴェーアデ、ドゥ ヴィルスト……とつぶやいて変化を覚えておきましょうね。
未来の助動詞werden
werdenは、「~になる」という動詞なので、未来のことを表しています。それで未来の助動詞として使われるようになったのです。わかりやすいですね。
未来の助動詞としてのwerdenを使った文を見てみましょう。
- Es wird morgen regnen. (明日は雨が降るでしょう。)
- Ich werde nach Deutschland fahren. (私はドイツに行くつもりだ。)
- Er wird heute nicht kommen. (彼は今日来ないだろう。)
最初の文は、明日のことです。近いけれど、未来ですね。未来は、「~でしょう」「~だろう」と訳します。
構文を見ると、話法の助動詞のときと同じく、助動詞が主語に応じて変化して2番目の位置に来ています。ここでは助動詞が定動詞となっています。本動詞は、変化を助動詞におまかせして、不定詞のまま最後に来ています。
二つ目の文も未来のことでので、「私はドイツに行くでしょう」と訳してもいいのですが、自分のことなのに自分のことがわかっていないみたいですね。自分のことなので、行くんでしょう。さもないとこんなことは言わないですよね。
ということで、主語が1人称の場合は、「~するつもりである」と訳します。これは主語の意志を表します。つまり、
- Ich will nach Deutschland fahren.
と、話法の助動詞wollenを使ったときと同じ意味になります。
3つ目の文は、「彼」のことなのでよくわかりません。でも勝手に「来ないだろう」と未来を想像しています。これはつまり、推量を表しています。
以上のように、werdenはだいたい「~でしょう」と訳せばいいのですが、主語が1人称の場合は、主語の意志を表し、3人称の場合はだいたい推量を表すと覚えておきましょう。
ところで、
- Es wird morgen regnen. (明日は雨が降るでしょう。)
って、なんか天気予報みたいで、硬い表現だと思いません?
実は、ドイツ語は英語ほどには未来形を使いません。だって、
- Morgen regnet es.(明日雨がふるってよ。)
で十分ではないでしょうか。なぜなら、morgen(明日)という副詞が来ているので、未来のことだってすぐにわかるからです。文としても、「Morgen wird es regnen」ってなんか複雑な構文で面倒です。
ということで、未来を表すwerdenは、あまり使わないと覚えておきましょう。でも、主語が1人称のときの意志のwerdenはわりとよく使います。
練習問題
さて、練習問題です。訳してみましょう。(解答は末尾ですが、すぐ後ろにありますので注意。)
- Bald wird es Nacht.
- Was möchtest du später werden.
- Kana will Lehrerin werden.
- Er wird wohl krank sein.
- Heute wird es sehr kalt werden.
- Ich werde in einem Restaurant jobben.
- Das Kind wird bald einschlafen.
まとめ
面倒だったら、werdenは「~になる」という動詞としての用法と、「~でしょう」という未来の助動詞としての用法がある、とこれだけ覚えておきましょう。
練習問題解答
- まもなく夜になります。
- 君は将来何になりたい?
- カナは教師になるつもりだ。
- 彼はおそらく病気だろう。
- 今日はとても寒くなるでしょう。
- 私はレストランでバイトするつもりです。
- その子はまもなく眠り込むでしょう。
4:wohlは「おそらく」。
5:最初のwirdが未来の助動詞、最後のwerdenが「~になる」という動詞。