ドイツ語の発音は、英語に比べるとずっと簡単です。
最初にざっと学んでおくと、未知の単語でも読めるようになります。なると思います。きっとなるでしょう。名詞は常に大文字で書く
発音練習をする前に、一つ学んでおきましょう。それは、ドイツ語の名詞は常に大文字で書くということです。英語を読むときに、helpが名詞なのか動詞なのかがわからず、苦労した経験がありませんか。ドイツ語ではHilfe(ヒルフェ、援助)が名詞で、helfen(ヘルフェン、助ける)が動詞です。名詞が大文字で書かれるので文章の意味が取りやすいです。
それでは発音を学んでいきましょう。
発音の3原則
1.ローマ字読みをすればよい
aiueoはアイウエオと読むんでしたね。英語のようにaをエイと読んでみたり、アとエの中間のような発音をしたりしません。単純にaはアです。ということで、Gartenはガルテンと読みます。
uをユーとかアとか発音するのは当然だと思っていませんか? 当然ではありません。変です。やはりuはウと読むのが素直というものです。それでBusはブスとなります。
iをアイと読むなんて、英語はなんてややこしいんでしょう! ドイツ語では、iは単純にイですから、findenはフィンデンとなります。
2.アクセントは最初の母音にある
オンケル、タンテ、モルゲンと最初の母音を強く発音します。そうじゃない単語もあるのですが、とりあえず原則です。
3.アクセントのある母音は、直後に子音が1つだけなら長く、2つ以上なら短く読む
なんだかややこしそうな原則ですね。例外もあるので、覚えなくてもいいのですが、覚えておくと便利なこともあります。
Nameは、aという母音の後には、mという子音が来ているだけです。子音が1つなので、このaは、アーと長母音になります。
Kinoのiの後ろも、nと子音が一つだけです。それでiはイーとのばします。
gebenは、英語のgiveに当たります。eの後にある子音は、bが1つだけ。エーとのばします。
今度は短く読む場合を見てみましょう。
Bettは、eの後ろに、ttと子音が二つ来ています。それでeはエーとのばしません。短母音になります。
kommenは、oの後ろに、mmと子音が二つ。やはり、oはオーとのばさず、オと読みます。
Gastは、aの後ろに、stと子音が二つ。aはアーとのばしません。
母音の発音
私たちの口から発せられる音には母音と子音がありますが、そもそもどこで母音と子音は区別されるのでしょうか。
母音とは、ア、イ、ウ、エ、オのように、出てくる息が何にも邪魔されずに発せられる音のことです。口の形は変わりますが、息を舌とか歯とかで妨げてはいません。息はそのまま出てきます。
それに対して子音は、息が舌や歯や唇などで邪魔されて出てくる音です。
このことをちょっと念頭において、それでは母音の発音に入っていきましょう。ウムラウトの発音も学びますよ。
aa、ee、ooは、アー、エー、オーとのばす
Teeはティーと読まないように。
また、Bootは、英語のboatのようにボウトと読まないようにしましょう。ボーと単純にのばします。
äはエー
いよいよ点々のついたウムラウトに入ります。
アー・ウムラウトは、アイウエオのアの口の形をして、「エー」という音を出します。アの口の形ですから、日本語のエよりも大きく口を開けて、エーです。でも、日本語の「エー」の発音で十分通じますので、あまり意識せず、エあるいはエーと発音するのだと覚えておきましょう。
これらの単語のäの後ろには子音が2つ続いていますから、みんな上の原則3に従って、äはエと短母音になります。
これらの単語のäの後ろには子音が1つです。やはり上の原則3に従って、äはエーとのばします。
öはエー
ö(オー・ウムラウト)もエーですが、äとは違って少しややこしいです。日本語にはない音です。
öは、アイウエオのオの口の形をして、エーという音を出します。しっかり、口を丸めることが大事です。変な口の形ですが、笑わずにやってみてください。笑うと口が横に広がって、途端に発音できなくなります。
日本語にない音なので、表記できないのですが、とりあえず、エとしてあります。
könnenですが、ドイツ語にはkennen(知っている)という単語もあり、どちらもカタカナではケネンとするしかありません。でもkennenはケネンでいいのですが、könnenは本当はケネンではありません。口を丸めると、クェネンのように聞こえたりします。
3つ目のケルンは、ケルンの大聖堂で知られた都市です。ゴシック様式の壮麗な大聖堂は世界遺産にもなっています。
長母音の例です。やはり、エーと表記してありますが、とにかく口を思い切って丸めることを忘れないでください。恥ずかしいくらい口を丸めるとうまくいきます。
üはユー
最後にウー・ウムラウト。これもöと同じく、日本語にはない音です。これは、アイウエオのウの口の形をして、「ユー」と発音します。ウの口の形ですから、オー・ウムラウトよりももっと口を丸めます。口笛を吹くときのように、口を丸め、唇を突き出してください。
とりあえず、ユと表記しますが、日本語のユとは違います。
口笛になるくらい口を丸めてください。
3つ目の単語にあるように、üはキスをするときの口の形をします。
これも恥ずかしがっていたらできない発音です。恥ずかしさをかなぐり捨てましょう。
長母音の例です。とにかく口を丸めます。
例外的な読み方をする母音
発音の原則1は、ドイツ語はローマ字読みするということでした。しかし、例外があります。4つだけなので、一気に覚えておくと楽になります。
eiはアイ
これは非常によく出てきます。間違えないようにしっかり覚えましょう。
アイスは、エイスではおいしそうではありません。
ハイムは住宅会社セキスイハイムで使われています。
アルバイトは、Arbeitとつづります。アルベイトとは言いませんよね。
ieはイー
eiとは逆ですが、今度はイーとのばします。eiとieを混乱しないように。
euはオイ
これはちょっと難しいですね。
わかってないとまったく読めずにとまどうことになります。
äuもオイ
これはeuほどは多くはでてきません。
補足:ieをイエと発音する場合も
これは例外の例外なので、今覚えなくてもかまいません。いずれ具体的な単語が出てきたときに学びましょう。でも、一応説明しておきます。
ieは、イーと発音すると述べました。でも、もともとのドイツ語ではなく、外国から入ってきた単語では、イーではなく、イエとローマ字読みする場合があります。
Familieはファミリーとは読みません。Linieはリーニーとは読みません。Italienもイタリーンとは読みません。それぞれ、ファミーリエ、リーニエ、イターリエンです。
アクセントは、上の表の太字で示したところにあります。ieをイーと読む場合はieにアクセントがありますが、イエと読む場合はieにはアクセントがありません。
まとめ
今回は、発音の3原則と母音の発音について学びました。
日本語にはないöとüの発音については、電子辞書やgoogle翻訳などで単語を発音させてみて、しっかり確認しておきましょう。YouTubeで「ウムラウト」や「Umlaut」で検索すれば親切な人が教えてくれています。
日本語と大きく異なるのは、öとüだけですので、それさえなんとかすれば、ドイツ語の発音はそんなにたいしたことはありません。ドイツ語は英語よりははるかに聞き取りやすいし、また発音もしやすいのです。
なお、正確な発音にこだわりすぎないようにしましょう。さもないとちっとも先に進めなくなります。発音は後で少しずつ修正していけばいいのです。